意外と評判が低い?『ミッションインポッシプル:ファイナルレコニング』

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Shomin Shinkai
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5月23日に公開された、シリーズ最新作『ミッションインポッシプル:ファイナルレコニング』。週末興収ランキング第1位を獲得し、興行は絶好調の本作ですが、意外と評価が高くない印象も受けています。

note、filmarks、YouTubeなどの感想をまとめてみました。

個人の感想

長文になりかねないので、さっぱりとまとめますが、個人的な感想としては、「良」です。

チーム感の欠如が大問題だと感じましたが、各シークエンスのトムのアクションは満足、という興奮度にとどまっていますね。そういった意味では、僕の感想も、世論に通ずるものがあるかもしれません。

僕は今作を観る前に、シリーズを全て観なおしました。その影響もあったので、今作を観終わった瞬間は、トムへの賞賛で一杯でした。ですが、よくよく考えてみると、ストーリーはいまいちだったな、だとか、そういえば途中で眠りかけたな、などと、悪い部分が生まれてきた感覚もあります。

賞賛ポイント

賞賛ポイントの裏側に、批判ポイントがあると思います。多く見られる賞賛ポイントは、こちら。

「トムの集大成」「トムお疲れ様」「生身のアクションに脱帽」

つまり、トムのアクションへの賞賛だったり、ここまでシリーズを続けてきたトムを労う声が賞賛ポイントの大半を占めている印象です。至極真っ当な意見です。30年近くシリーズを続け、その度に前回を超えるような生身のアクションに挑み、ついにその区切りを迎えたトムに、どうやって賞賛を与えないでいられるでしょう。

が、それは翻せばトム以外の賞賛ポイントが見つからない、ということかもしれませんよね?

トムの大道芸を見せられている?

映画通の芸人ジャガモンドの斎藤さんのYouTubeチャンネルをよく見るのですが、そこでは、多くの人の意見を代弁するような感想をおっしゃっていました。

要約すると、トムのアクションを見せることが先行した映画になっているため、演出やストーリーで観客を楽しませようとする意識に欠ける、といった内容でした。

初期は毎回違う監督が担当していたシリーズですが、5からはクリストファー・マッカリーに固定され、トムの要望が通りやすくなっています。そもそも、トムが制作に入っているのですから、トムの意見が何よりも重要視される現場と言っても過言ではないかもしれません。トムがまずやりたいアクションを提案し、それに合わせてストーリーを作る流れができているようなのです。

となるとやはり、トムの生身アクション、が先行してしまうのは無理がないかもしれません。斎藤さんが指摘しているのは、トムのアクションを否定しているわけではなく、アクションをどう魅せるかを追求していかないといけない、ということです。

映画が完成している以上、トムが死なないことはわかっています。なら、死の可能性があるアクションといっても、それだけではリスクのないトムの大道芸を見ているようなものです。大事なのは、そのアクションが、映画とわかっているのに、ハラハラして、固唾を飲んでしまうようなものに仕上げる監督含め、トム以外の映画人の技量です。

そこが正直かなり乏しく、トムまかせになっているので「トムが頑張っているのはわかったけどアクションがつまらなかった」などという、良くて「トムは評価するけど作品は……」、悪くて「アクションが詰まらなかった……」という意見が生まれているのかもしれません。

こちらも僕がよく見ている、映画やドラマにまつわる動画を上げている大島育宙さんという方がいるのですが、トムが危険なアクションをやることに沸く風潮そのものに疑問を抱いている部分があることをおっしゃっていて、言われてみれば、とはっとさせられました。

長い

次に長さ問題です。

上映時間は169分。かなり長い部類に入ります。しかし、長さだけが問題ではありません。長いからこそ光る魅力がある映画も数多存在します。

今作の場合は、中身がなさすぎるのです。中身がないわりに、説明が難しく長いので、たるい部分があります。これも、先程のトムがアクションを先行しすぎている問題と被るのですが、本来はストーリーに必要なアクションを作るのに、アクションに必要なストーリーを作っているので、中身がおざなりになるのは明白です。

それが169分も続くのですから、批判が起きるのも無理はありません。

祭りを期待していたのに……

また、集大成と銘打っている割には、お祭り感が足りない、という意見もありました。これも納得ですね。確かに1のキャラが再登場したり、実はこの人がこの人の息子だったんだ、といった繋がりはふんだんに盛り込まれた映画でしたが、それこそアベンジャーズエンドゲームのような大団円があっても良いのに、こじんまりと、イーサンだけの頑張りで幕を閉じてしまったのは、悪手だったのかもしれません。

僕自身、どこかでジェネミー・レナ―が出てくるのをずっと待っていましたから。

もちろん、イーサンの物語の締めくくりとして、肯定の言葉もありました。

まとめ:何を求めているかで、評価が完全に変わる

結局、どの映画もそうではあるのですが、今シリーズは特に観客の姿勢で評価が分かれるようになっていると感じます。それほどまでに、シリーズそのものにファンがいるということですね。

シリーズを続けてきたトムに対する感謝と信頼を寄せている人程、彼のアクションに感銘を受け、ストーリーや演出の粗をそこまで気にせずに楽しむことができます。

一方、いくらシリーズとはいえ、一本の作品として本作を楽しんだ人たちは、トムの素晴らしさは評価しつつも一旦置いた上で、作品としての欠点が気になってしまうのでしょう。

あるいは、その中間の、楽しかったけど最高ではない、という評価も多くありますね。僕もその中の一人です。

何が悪いかという話ではありません。このシリーズがどれだけ愛されているか、トムがどれだけ命を削って仕事に取り組んでいるかが改めてわかり、僕は批判の意見ですら愛おしく感じている状態です。いざまとめてみると、批判と言えど、大方は満足している部分があるように感じています。

ぶっちゃけ、観てみるしかありません。観てこそ評価する権利が得られるというものです。

ぜひ劇場で。

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