僕は映画鑑賞も趣味の一つなので、ブログでちょくちょくと映画を紹介していくのも悪くはないかなと思っています。
先日観た映画の紹介です。
基本情報
今作は、『パラサイト半地下の家族』という作品で、カンヌ国際映画祭のパルム・ドールを受賞したポン・ジュノ監督がメガホンを握るブラックSFコメディです。主演は『スノーホワイト』『バッドマン』のロバート・パティンソン。原作はエドワード・アシュトンの『ミッキー7』です。

日本では2025年3月28日に劇場公開が開始されました。
主演 ロバート・パティンソン
ロバート・パティンソンの存在を初めて知ったのは、クリストファー・ノーラン監督の『TENET』のニール役でした。スタイリッシュかつ人情に溢れた役で、今後のブレイクを確信しました。ただ、ブレイクなんてものは前からしており、『ハリーポッター』シリーズ、『スノーホワイト』シリーズで既に有名な方でした。近年では、新しい『バットマン』を演じたことでも名を馳せましたね。

とてもカッコいいです。髪や顔に無頓着な感じが、逆に髪や顔に魅力を増やしています。
魅力的なポイント
今作はかなり要素が詰め込まれた作品なので、楽しみ方が無数にあると感じました。
・コメディ
コメディはコメディですが、ブラックコメディです。気持ちが悪かったり、やや不謹慎なネタが盛り だくさんです。最初から最後までこまめにコメディが入っていますし、下手したら作品の全てがコメディであるような気もします。
・SF
ストーリーの大半は地球の外で行われます。宇宙空間と、別の惑星です。とはいえ室内の場面が多いのですが、室内だからこそ見せられる、日常感のあるSFを楽しむことができます。
・下克上
死んでも生き返らせられて、また殺されるミッキーが、権力者を淘汰する話でもあります。もちろん、それが全てではないですが、今作の最も表面に流れるエピソードは、下克上の物語でした。我々庶民の物語です。
・恋愛
意外にも恋愛要素がたっぷりです。愛とは体の関係なのか、心の関係なのか、相互に関連していくものなのか。同じ人間が二人いたらどちらに恋をするのか。3人でやってしまうのか。浅そうに見えて深い恋愛模様を楽しむことができます。
・理解
あらゆるものへの理解を求めさせてくる映画です。それは同じ人間に対してもそうですし、複製人間に対してもそうですし、未知の惑星の生物に対してもそうです。なんか気持ち悪いな、と馬鹿にしていたら、それを馬鹿にするってどうなの?と真顔で攻められるような冷たさが時々ありました。
抱いた感情
・非常に考えさせられました。特定の問題に対して、というわけではないですが、あらゆる社会問題にチクチクと針を刺している感覚があり、それを見た僕も、なんだかモヤモヤした悩みの渦にいるようです。
・下克上物語だと思いきや、まったく逆の感想を抱いたりもしました。必ずしも下克上が絶対なのではなく、時には権力のおひざ元で苦しみながらも、楽しさを見出して暮らすことにも良さがあるのではないか、と。
・淡泊な物語だと思いきや、非常に人情深い結末に帰結して、思いの外温かい気持ちもなりました。人間関係に重きを置かない、プロットの物語かと思いきや、意外にもプロットは薄めで、人と人との繋がりで転がっていくような展開があり、予測不能で面白かったです。
まとめ
ポン・ジュノ監督にしては評判が低いようですが、SF、ポンジュノ、といった固定概念を全て消して、真っ白なキャンパスに色鉛筆だけ持つ感覚で見ると、とつもない絵が描けるような作品だと感じています。
素晴らしい創作作品に触れることで開く全身の毛穴が開きまくっています。とてもひねくれていて、けれどもしっかりと作られた大作でした。
まだ間に合います。ぜひ劇場へ!
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