
海外で迷子になると恐ろしいですよね。たいした迷子ではなくとも、迷子になっている身からしたら恐怖でしかありません。
今回は僕が台湾で迷子になった出来事をシェアします。
まず駅内で迷う
目的の駅には着いたものの、どこの出口から出ればいいのかわからない、ということはよくあります。
日本ですらそんな状態になる僕ですから、海外でそうならないわけがありません。

台北車駅は結構な大きさがありました。上手く歩けば別の路線へと地上に出ることなく行くこともできますが、上手くいかないと、巨大迷宮に閉じ込められたも同然です。
駅の中だとスマホのマップ機能が使い物にならないのが良くないですよね。壁を通り抜けることを強要してきますから。
ただ、僕は変なところにプライドがあります。一度迷ったら自力で正しい道に戻りたいというプライドと、こいつ迷ってるなと周りに思われたくないというプライドです。


というわけで、あたかもガチャガチャに興味があるようなフリをして必死に一旦出口を探しました。実際ガチャガチャは結構面白かったです。日本のガチャガチャは相当人気なのでしょう。日本語そのままのポスターが貼られていて、金額も円表記でした。百円玉を入れてやろうかと思い立ちましたが、迷子中だったので、それを実行する余裕はありませんでした。
奇跡的に出口に辿り着きことなきをえましたが、海外でしょうもないプライドは命取りです。
位置情報が狂う
やはり、いくら日本に近いとはいえ海外ですから、位置情報が突然おかしくなったり、回線が突如として切れて、命の綱であるスマホを失う瞬間が当然あります。
やっとのことで地下から這い上がった僕は、スマホに絶対的な信頼を置いて歩き出しました。真逆の方向に歩いていることに気がついたのは、1キロ近く歩いた後でした。



上の写真は、間違った方向に歩いているとは知らずに、初台北を素直に喜んでいる哀れな時に撮った写真です。
僕が歩いていた西門付近の大通りは結構広々としていて、散歩していて気持ちいい気分になりました。とはいえ、南の国ですから、7月下旬、曇りですら36度くらいあり、蒸し蒸しした暑さがありました。
車は右車線で、比較的安全運転が心がけられているようですが、少し詰まったらすぐにクラクションが鳴らされるあたりは、海外だなと微笑ましくなりました。

比較的安全運転……?
これほど外の景色を鑑賞していながら逆方向へと歩いているんですから、なんというかもう、手の施しようがないですよね。
一応あと信号何個越えたら右に曲がるとかは考えていたのですが、進行方向に信号が全然ないことには気がつかない。そんな感じです。
皆さんも目的地に無駄なく辿り着きたい時は、マップに頼りすぎず、自分の目も信じすぎず、常にぼーっとせず、集中することが大事です。
ホテルの中で迷う
ホテルの写真を一枚も撮っていないのが悔やまれます。それほど焦っていたということでしょう。
僕は旅費を節約すべく、LiHO Hotel – Hankou Branchという格安ホテルに泊まりました。
……このホテルに対しての怒りは別の機会にたっぷりと、持ちうる文章力の全てを行使して語る予定ですが、今回は入るまでも大変だったという話をします。
まず、このホテルはとてつもなくでかいビルの8階、9階、10階です(うろ覚え)。そしてエントランスは1階。こんなにややこしい構造なのに、全然人をエントランスに招く気がありません。エントランスが1階にも5階にも10階にもあるような書き方で、疲れ切った僕を混乱させました。
混乱した僕はエレベーターに乗ってしまいました。とりあえず10階に行こうとボタンを押しましたが、反応がありません。すると、一緒に乗っていた台湾人が「カード!!」と繰り返し言ってきて、つまりカードがないと客室のある階には行けないとのことでした。
僕は諦めて「カード!!」と言ってきたおじさんと一緒の階で降りると、そこは明らかに怪しい雰囲気で、日本人の僕にもわかる漢字が恥を知ることなく堂々と入口に掲げられていました。18歳未満立入禁止。
僕はやましい考えで台湾にきたわけではありません。すぐに一階に戻り、一階に降りた瞬間、エントランスが左手にあることに気がついたのです。
クソ!僕は心の中で悪態をつき(いや、どうせ誰もわからないだろうと思って声に出していたかもしれません)、濃密で過酷な移動を終えたのです。
海外では、ホテルに着いたからといって安心してはいけませんよ。
迷ってこその旅
無事に帰ってきた今から振り返ると、次々出現する困難に向き合い、その度に絶望しながらも乗り越えていったこの半日は、異様な充実感があります。
きっとお金を持っていて、ファーストクラスで悠々と空を飛び、空港からの送迎オプション付きの高級ホテルに泊まる人では感じようのない、茨の道を歩いたような充実感です。
この感覚があるからこそ、僕は仕事→食事→睡眠→仕事の退屈なループを乗り越えられるのです。
旅が何不自由なく終わるなら、仕事→食事→旅行→睡眠→仕事となり、僕は旅行に行く大きな意味の一つを失うでしょう。
旅とは迷い悩むもの
と、僕の不手際と愚かさを弁護したところで、今回のブログを締めくくります。
海外では迷わないよう万全の準備を期すべきです。ですがもし迷ってしまったら、必死になって道を見つけ出し、その道中をも楽しむ心の余裕が必要です。
続く
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