(2025)リニューアルした竹島水族館

水族館
Shomin Shinkai
Shomin Shinkai

2024年10月12日にリニューアルオープンした竹島水族館に、遂に行くことができました。2025年6月に訪問した際の情報です。


父と母が若い頃は、土日に行っても貸し切り状態だったと聞きますが、最早その面影はなく、リニューアルまでしてしまうだなんて、すっかり愛知県を代表する立派な水族館の一つですね

竹島水族館とは

竹島水族館とは、愛知県蒲郡市にある水族館で、1956年に開館しました。当初は観覧面積がテニスコート2面分程しかなく、2000年前後には、廃館の危機に瀕したといいます。しかし、現館長である小林龍二をはじめとする若手らが革命に乗り出し、手書きの説明パネルを作るなどして、見事に軌道修正をしました。そして2024年10月12日、ついにリニューアルオープンにまで辿り着きました。

こちらが旧館

こちらが新館

僕たちが行った日は、平日かつあいにくの雨模様でしたが、多くのお客様がいました。

営業時間・入館料

営業時間は9:00~17:00までで、年中無休です。

チケット料金は、大人(高校生以上):1200円

        子ども(4歳以上から中学生):500円

        3歳以下のおこさま:無料

営業時間・料金 | 竹島水族館
竹島水族館の営業時間は9:00から17:00(最終入館16:30まで)。チケット料金は、蒲郡市内の方と、市外の方で違います。

水族館の規模から考えると妥当な金額だと思いますが、無論金額以上の魅力があります。

入口は新館にあります。ここでチケットを買うこともできますし、webで購入することも可能です。

新館

リニューアルの目玉はなんといってもこの深海大水槽ですよね。深海がこれほど大きく視界に飛び込んでくることなど滅多になく、入った瞬間に広がるこの幻想的な空間に感銘を受けました。

今までは小さな水槽をどう魅せるか、という部分に重点を置いていた竹島水族館ですが、ついに資金を調達し、水量120トンもの巨大水槽を作り上げました。

モチーフは深海の断層だそうで、深く切り立った深海を、立体的に見せています。深海の象徴であるタカアシガニがうじゃうじゃといますね。やっぱりこいつらは、狭い水槽で見るより、深海という果てしなく広い空間で悠々と手足を伸ばしている姿が似合っています。

本当に綺麗でした。深海を大水槽にしようという発想力が、他の水族館とは違います。

しかもこの水槽の凄いところは、深海を見上げることができる点です。水槽の裏手に回ると、上にタカアシガニがいるではありませんか。光の魅せ方が非常に麗しく、幻想的で、ロマンチックでした。ただカニを下から見ているだけなのに、どうしてこうも感動するのでしょうか。自然を自然の姿そのままで切り取るエコロジカル・アプローチの視点と、お客さんを楽しませる顧客視点の究極のバランスが保たれていました。

深海の夜明け

カピバラ

深海ゾーンを抜けると、一度外に出ることになり、外にはカピバラが待っています。

もぐもぐと餌を食べ、寝て、歩いて。見ていると自然に頬が緩んできます。

2025年6月9日時点では、竹島水族館にはめめとしんたの、二匹のカピバラがいました。彼らは繁殖のため共に暮らしているそうです。
が、なかなか二匹の距離が縮まらず、喧嘩をしてしまったそうで、僕が行った時にはめめしか見ることができませんでした。

本当に喧嘩したのかというくらい、のんびりとご飯を食べています。

二匹の仲を深めるためや、怪我を癒すためにカピバラショーは長らく中止されていたそうですが、この時はめめ一匹でカピバラショーを見せてくれました。かなりグダグダで、のんびりとした展開が売りのショーです。芸を仕込んで観客に魅せるという、従来の日本の水族館が得意としてきた手法とは対極にあるショーです。

世界最大のげっ歯類のカピバラ。こんな可愛いネズミなら、街中で見かけても気持ち悪くならないですよね。

カピバラ展示の横の壁に、協力してくれた方々の名前が書かれていました。こういう繋がりを大事にし、公にするのが竹島水族館の魅力ですね。

アシカとオットセイ

カピバラコーナーの奥には、アシカプールがあります。
が、あまりにも強烈な雨が降り注ぎ、長く見ることはできませんでした。カピバラコーナーは屋根があるのでよかったのですが、ここには屋根がなく、無念でした。
アシカ、ごめん

オットセイもいました。オットセイのコーナーには屋根がありました。
ほぼ同じような見た目なのに、この違いは一体なんだ。

アシカとオットセイはどちらもアシカ科なので、実質はどちらもアシカらしいです。

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カメもいました。

新館は、大きい展示に絞って作られているように感じました。深海大水槽、カピバラ、アシカ、オットセイの四つのみです。これから増えていくのかどうかはわかりませんが、この後紹介する旧館といい対比になっているのではないかと感じます。

道は旧館に続きます。

旧館

オットセイのコーナーの先は旧館です。旧館とはいえ、古めかしさはありません。こちらは、小さな水槽がたくさんと、タッチングプールがあります。手書きの説明も多く壁に貼ってあり、僕としては旧館の方が「竹島らしさ」というものを感じますね。

ウーパールーパー

手書きの説明にも書いてありますが、ウーパールーパーは本当の名前ではなく、商品名らしいです。驚きですね。

子どものサメ

子どものサメは可愛いですよね。とある水槽で、こちらを覗いてくるサメの子どもがいました。

と思ったら、水槽の周りを見て下さい。飼育員さんが手書きでかいてくれた独自の解説がきっとあるはずです。これが本当に面白く、熱中して見てしまいます。周囲を見てみると、他の水族館よりもお客さんが一つの水槽に見入る時間が長いようで、その理由は偏にこの手書きの解説版のおかげだと思います。

その他の魚たち

ナポレオンフィッシュ(メガネモチノウオ)。

この子は見れたらレアな魚らしいです。シモフリタナバタウオ。僕たちの前の前に優雅にやってきて、しかも何枚も写真を撮らせてくれました。シャイでも一度心を許してくれると優しいようです。どうして心を許してくれたのかは知りませんが。

地面に倒れる魚。

死んでいるのかと思いきや、砂に体を何度かこすりつけた後、再び華麗に泳ぎ出しました。

ゴンズイ玉です。集まって浅瀬で泳いでいるのを実際に見たことがあります。可愛いですが、毒があるのでやみくもに突っ込んではいけません。

ゴンズイが住んでいる水槽には、アマモが生えています。アマモ場の水槽は見ていると、優しい気持ちになります。

旧館の目玉

旧館も古いままではありません。リニューアルされています。こちらの南国の海に住む生物を集めた水槽には、なんと水槽の上に水槽がありました。

視覚的に斬新な立体感がありますよね。
以前竹島水族館リニューアルのテレビ番組を見た時に、この水槽の設営に焦点が当たっていたのを覚えています。水槽を水の上に置いて、そこにチューブを通し、空気を人力で吸うという、かなり古典的な方法を使って上の水槽に水を送り込んでいました。削減できるところは知恵で削減する、貧弱な予算でやりくりをしていた竹島水族館の真髄が感じられました。

水槽の上を魚が泳いでいる感じですね。

旧館の奥にはカワウソもいました。こんなに可愛いのに、建物の奥にいるのです。カワウソを贅沢に使っています。

タッチングプール

竹島水族館といえばタッチングプール、と言う人もいるのではないでしょうか。深海生物に触れることができます。

得にいいと思うのは、わりと危険な生物も触ることができる点です。トゲトゲのカニや、口元に手を置いたら噛みつくサメなどを平気で展示しているのです。子どもたちに、生物を触って楽しむのではなく、生物を尊重し理解するために触ってもらう、ということを伝えたいのだと解釈をしています。

注意事項の紙が大量に張ってあります。子どもたちに注意事項を読んでもらい、守って、楽しく生物に触れて欲しい意図を感じます。我々大人は、しっかり子どもたちを見て、過ちを犯そうになっていたら注意していかなければいけませんね。過ちを犯してしまうことは仕方がありません。この水族館は、過ちをある程度許容し、子どもたちに実践教育を与えると共に、過ちを許さず、生物たちを守ることにも尽力しています。難しい二つの取り組みに果敢に挑んでいる気がします。

エサやりプールもあります。エサを購入し、エサをやることができます。かなり激しく食いついていて、見ていて面白かったです。カメもいます。ウミガメって、噛むんですね。

表面はざらざら、お腹はぷにぷに。ナヌカザメ。

おわりに

小さいながらこだわりがあらゆるところにあり、リニューアルして、更に魅力が大きくなっていました。規模は大きくなれど、「手作り感」や「フレンドリーさ」は維持していました。

安心しました。

力を手に入れた途端、力がない頃に得た魅力を手放す組織は多いですから、竹島水族館がそれを回避したようで、心底ほっとしています。

終わり

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