フーコック島、2日目を迎えました。フーコックは5月から10月が雨季で、突如としてスコールが降り注いだり、どんよりした日々が続くと聞いており、僕は7月に行ったので、もう終わりだなと思っていたのですが、なんと今回の旅行では一度も雨に遭遇することはありませんでした。天気予報ではがっつり雨と雷のマークがついていたのに、です。不思議な幸運に包まれました。
ただ、この日は雨だと思い込んでいたので、インドアの計画しかしていませんでした。天気予報の役に立たなさを罵りつつ、それでも他のプランを立てる気にはならなかったので、水族館に行くことにしました。僕は無類の水族館好きなのです。海外の水族館にはとても興味があります。

調べてみたところ、上記の場所にVinWonders Phú Quốcと呼ばれる、ディズニー顔負けの巨大なテーマパークがあり、その中に水族館があるというのです。
しかも、水族館ではペンギンの餌やりができると言います。僕は無類のペンギン好きでもあります。行くしかありません。

grabを使い、一気に遊園地に向かいました。約40分かかる道のりです。1人旅行なので喋り相手がおらず、寂しく窓の外を見ると、カジノ施設がありました。とても怖くて1人ではいけませんが、経験として一度行ってみたいものです。

一抹の不安がよぎったのは、いよいよ目的地に到着するという時です。田舎町から、煌びやかな街並みに変わり、スマホを思わず向けたのですが、どうにも建物のハリボテ感が凄まじいのです。生気が感じられず、映画のセットのように風が吹いたら倒れてしまいそうなのです。ちゃんと目を凝らしてみると、やっぱりそうです。写真のように建物はずっと続いているのに、ほとんどお店が入っておらず、立体的なハリボテと表現しても構わないような状態でした。
何か、おかしい。
とは思いつつも、寡黙な運転手は何も言わないですし、確認する手立てもなく、VinWonders Phú Quốcに到着してしまいました。ただ、出迎えてくれたテーマパークっぽい派手なエントランスは、一瞬だけ僕の不安を消し、興奮を与えてくれました。


早速チケットを買おうと列に並んだのですが、どうにも様子がおかしいです。他にも多くの観光客がいたのですが、何やら受付と揉めていますし、チケットを買わずにバスに乗って帰ってしまう人が大勢いたのです。なんだなんだと訝しんでいる内に自分の番がやってくると、スマホで翻訳された英語の文を見せられ、そこには「一部の電気システムが故障中で、室内のアトラクションは全て休止中」と書かれていたのです。なんだそれはと唖然としました。よく見てみると、受付エリアも異常に暗いですし、トイレも電気がつかない状態でした。そんなことってあるのでしょうか。別に台風が来たわけでもありません。例えばこれが東京ディズニーランドだったらと考えると、室内エリアが全て休止することなど考えられませんし、何より、休止になるなら、ホームページでは絶対にお知らせがきますし、入口のあちらこちらに張り紙でも貼るはずです。そんなことは一切せず、長い列に並んでチケットを買おうとした瞬間に、絶望が知らされるシステムを作り出していました。信じられません。ペンギンとの出会いは、ここでついえたのです。というか、水族館にいる生物たちは無事なのでしょうか……
園内を歩くことはできますよ、なんて言われましたが、それだけで通常料金を奪おうなんていう魂胆にはひれ伏しません。僕は憤って踵を返し、VinWonders Phú Quốcを後にしました。
後にしてはいいのですが、行く当てがありません。今から最南端の遊園地に行く気持ちにもなりませんでしたし、かといって帰るのも味気なく、適当にグーグルマップを見ていたところ、二キロ先に、Grand world Phu Quocという、なにやら景色の良さそうなショッピングエリアがあるようではありませんか。僕はやけくその気持ちになっていたので、タクシーを使わず、炎天下の中二キロを歩くことにしました。僕は元来散歩が好きな性格なので、歩いている内に絶望感や怒りが安らぎ、めちゃくちゃ暑くて服が汗で水没するほどでしたが、この乱された予定を楽しむ気持ちになっていきました。
そしてGrand world Phu Quocに到着です。








壮大なオブジェや、建造物が出迎えてくれました。しかし、こちらもガラガラです。というか、こちらの方がガラガラです。2020年に作られた観光地らしいのですが、経営は本当に大丈夫なのかと心配になってくるレベルです。24時間営業で、カジノがあるらしいので、きっと夜は凄いんでしょうね。そう思うことにしておきましょう。
ヨーロッパをモチーフにしているようで、ヨーロッパ風の街並みを手漕ぎ風の船(実際はエンジンで動く)で巡ることもできました。




人がいないですね。
ある噂では、フーコックは開発に失敗したリゾート地だと聞いたことがあります。それが少し現実に感じました。
最も、まだ新しい店が建設中だったりしたので、まだまだこれからだと期待もできるでしょう。
続く
コメント