10月26日。東京ドームにやってきました。初めての東京ドームです。

雨がパラパラと降ってはいましたが、そんな小粒な雨は気にならない程に興奮と緊張を感じていました。どういう緊張なのかはいまだによくわかりませんが、とにかくかなり緊張していました。


当然ですが、周りはオアシスファンでごった返していました。

「ジャイアンは永久に不滅(live forever)」と「live forever」の謎のコラボ。

普段からこうなのかわかりませんが、ドーム内は黒と白で彩られ、会場全体がoasisに染まっている雰囲気がありました。
ただ、あまりに人数が多かったのか、トイレには信じられない長蛇の列ができ、スタッフたちは上手く捌ききれていませんでした。結果、どこに並んでいるのかさっぱりわからないまま、とりあえず列に並び、進んでも進んでもトイレの看板すら見えず、最終的にはスタッフが「多分ここで並んでいる人は間に合いません!」と叫ぶ始末で、膀胱の課題を持ったままライブにのぞむ人も多かったのではないでしょうか。僕は結果的に尿意が汗となって流れ出たのか、無事に耐えることができましたが、トイレ行列問題は些かのノイズでした。

幸運にもSS席が当たりました。遮るものがありません。本人たちのことは豆粒くらいにしか見えませんでしたが、正面から音楽と画面を受け止めることができ、満足しています。

そして遂に、イントロであるFuckin’ in the Bushesが流れ出しました。
1 涙より興奮
その瞬間が来た時、僕は泣くかな、と思っていました。何故なら、セットリストを大音量で流し、本番が近づいているんだと思うとじんわりと涙が滲むような状態でしたし、なんならオープニングアクトの時ですら、オアシスがすぐそこまで近づいている実感で泣きそうになっていたからです。
ですがついに訪れたその瞬間、僕に押し寄せたのはあまりに激しい興奮と歓喜の濁流でした。感動や感極まりはほぼなく、ただただ熱い喜びが押し寄せたのです。
1人カラオケによる歌の練習も功を奏し、リアムの声に合わせて叫ぶように歌うことができました。hello, acquiescw , morning gloryと畳み掛けるように続く名曲を、体に染み込ませ、そして体から放出するかのように、聞いて歌って飛び跳ねました。
涙は出ようとしたのでしょう。しかし出た瞬間、興奮の熱気で蒸発したのだと思います。間違いありません。
2 ノエルの渋さ
弟リアムももちろん好きですが、僕は兄ノエルが好きです。
口は信じられない程に悪いにも関わらず、音楽とファンに対しての活動は真面目そのもの。そのギャップがたまらないのです。
そしてこのライブでのノエルは、真面目を通り越して、職人の域に達していました。黙々と素晴らしい演奏とコーラスを披露し、全然前に出ようとしないのに、果てしない存在感を放っていました。
そんな中訪れる、リアムの休憩時間。ノエルのソロの時間が始まりました。
talk tonight , half the world away, little by little,アンコールでの the masterplan, don’t look back in anger…..
丁寧で落ち着いていながらも、凄まじい音の雨あられ。生きてきた年月と、これまで経験した人生の凹凸を、ここまで曲に乗せることができる人を僕は知りません。
特に観客のスマホのライトが作り出す星々の中でノエルが佇むtalk tonight, 遠く空まで伸びていき、もどかしい若者のモヤモヤにそっと触れて温めるようなHalf the world away、それから、ノエルのためなら喉を失ってでも歌ってやると思わせるような、圧巻のDon’t look back in angerが好きでした。
ノエル最高
3 何故オアシスの曲は心の底から盛り上がれるのか
僕はシンプルな曲や物語が得意ではありません。楽しいですが、どこか引っかかるのです。「人生はそんなに上手くいくか、そんなにシンプルか? そんなに一面だけの世界なのか?」などなど。
オアシスの曲も、かなり真っ直ぐでストレートな印象があります。曲の構造がそもそもシンプルですし、歌詞もまた。
ですが今回のライブで、人生で1番というくらいに人目を気にせず歌いまくっている自分をどこかで客観視していく中で、その理由がわかりました。
オアシスの曲はいつだってマイナスが前提にあるからです。マイナスから自分の意思で歯を食いしばり、プラスに向かって一歩を踏み出そうとするから、僕にとってすんなりと曲が受け入れられるのです。
世界が悪い方向に向かってるのは明らかですし、人生が平凡で平坦なのが苦しいのも事実です。あなたは酷い心の傷を負っているかもしれませんし、どうしてもやめられない負の行動に取りつかれている現状があるのかもしれません。オアシスは、それらの現状を凄惨に突きつけてから、さぁ進もうぜと言ってくるのです。
兄弟の性格さながらのツンデレな曲ばかりです。
このマイナスが前提にあることが、同じ前向きなことを言っている他の曲とは違い、労働者階級あがりの彼らの特徴であるような気がします。
マイナスからの第一歩。そのあまりに厳しい一歩を踏み出させる力が、彼らにはあるのです。厳しく突き放しつつも、決して手を離さず、引っ張りあげてくれる感じ。
この東京ドームで、彼らのツンデレな応援歌が大いに鳴り響き、僕の心を貫いていきました。
Cigarettes&Alcohol , Supersonic,Rolle with it, Rock’n’Roll Starが、特に我を忘れて盛り上がれた曲でした。いつも物事を捻くれて見てしまう僕が、我を忘れて盛り上がれた瞬間などそうありません。
4 終わりにも涙はなく
その瞬間が来た時、僕は泣くと思っていました。Champagne Supernovaの寂しい余韻と共に、終わってしまった悲しみが押し寄せると、そう思っていたのです。そしてそれが怖くもありました。
しかし、終わった時の僕の体はエネルギーに満ちていました。明日からも頑張ろう、と。
Champagne Supernovaは、終わりのメロディではなく、循環の水の音だと解釈しました。海まで下った水がまた空へと旅立ち上流に赴くような感覚。
もっと俗な例えだと、サウナの後に水風呂に浸かるようなものです。
Champagne Supernovaの終わりがけや終わった後、僕は完全に「ととのった」状態でした。体の内部で温もりが広がり、oasis最高という感嘆のため息と、これからも頑張るぞという決意のため息が同時に出ていました。
思えば、僕がライブ前に感じていた激しい緊張は、始まってしまえば終わるしかないという、有限への恐怖だったのかもしれません。
確かにこのライブを二度と生で見ることはできません。終わりました。しかし、オアシスが与えてくれたのは循環でした。このライブを楽しみにし続け、本番中も一瞬も無駄にしないで楽しんだ僕たちが歩む、明日からのオアシスのライブがない1日には、常にオアシスが流れ続けているのです。
なんか気持ち悪いと感じるかもしれませんが、ライブを体験した人の100人に1人くらいには伝わりそうな気がします。
live forever
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以上、大まかなライブの感想でした。
ライブが終わったあとは、一緒に行った友人のサイコパスと、gin&tonicを始めとするalcoholを嗜みながら、朝を迎えるまでライブを語り合いました。
とても楽しかったです。


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